ファルコンズ VS 慶應大インバース(練習試合)
2009年8月4日(金)  多摩川ガス橋1号面 天候:快晴

ファルコンズ 0 0 0 0 0 0 2 2
アカネッツ
5 0 0 0 1 0 × 6
バッテリー:河上−寺澤


 ■スタメン
1:早川(遊)
2:深澤(右)
3:森山(中)
4:徳武(左)
5:刈谷(一)
6:寺澤(捕)
7:赤堀(三)
8:三上(DH)
9:森田(二)
投:河上
 ■ 詳細
雨の予報から一転、うなだれるような猛暑の中試合は行われた。
相手はインバース。昨年度の塾内トーナメントベスト4の強豪である。
塾内制覇を目指す我々にとっては現在の力量を計るためにはこの上ない相手であった。絶対に負けられない戦いがそこにはある。
 
しかしグラウンドにつくと本日の参加者は14名。思わず目を疑った。
まさかと思いもう一度数えてみた。13名だった。死にたくなった。
 
 
 
 
1回表、インバースの攻撃。
河上はストライク先行のピッチングで相手の上位打線をかわしていく。
外野への大飛球にもセンター森山が好捕し三者凡退で切って取る。
 
 
 
その裏、先頭の早川がヒットで出塁。
セカンドベースが空いているのを見るやいなやディレードスチールを敢行。ノーアウトでチャンスを迎える。これでファルコンズは勢いに乗った。
深澤の進塁打で1死3塁の局面を迎えると3番森山がレフト前にタイムリー。
先制に成功すると、続くチャンスに刈谷寺澤も連続タイムリーで更に加点。
その後も叩きつける打撃で内野の頭を越していき初回にして5点がスコアボードに並ぶ。打者一巡の猛攻で完全に試合の主導権を握った。
 
 
 
 
リズムに乗って快調なピッチングを続ける河上であったが3回、ヒットを浴びノーアウトのランナーを背負う。にわかに湧き上がる相手ベンチ。
 
 
「もうちょっと左よ。」
 
どこからともなく声が聞こえた。聞き覚えのある声だった。
言われるがままに僕は数歩動いた。
 
「そう、そこよ。」
 
「あなたがみんなを助けてあげるのよ。」
 
それは紛れもなくおばあちゃんの声だった。毎日膝の上に僕を乗せ本を読んでくれたばあちゃんの声。
そして河上が投じた2球目。ランナーが動いた。甘く入った球をバッターが痛打。痛烈なライナーが飛んでいく。
しかし打球はポジションを移動したセカンドの真正面へ。差し出した僕のグラブに納まる。ランナーも戻りきれずツーアウト。
 
「大きくなったのね。これからも頑張るのよ。」
 
その言葉を最後にばあちゃんの声は消えた。そういえば今日はばあちゃんの15回目の命日だった。僕は元気でいるよ。
 
 
 
やかましいですね。
5回には赤堀の暴投でランナーを2塁に背負ってしまう。
しかし次の打者の放った打球は幸運にも2塁走者に直撃しランナーはアウト。
そしてツーアウトからまたしても打球は赤堀へ飛ぶ。
これを初体験の少年が女性の柔かな身体に触れるかの如く丁寧に処理し1塁へ。
またしても送球は逸れた。
脱がせたはいいもののどこに入れるかわからない高校1年生のような心境だったのだろう。が、刈谷の攻守によって何とかアウトにする。
そろそろレギュラーの座も赤信号だろう。赤堀なだけにwwww
 
 
 
やかましいですね。
打線の方は初回以降なかなか追加点をあげられない。容赦なく照りつける太陽。
そんな中、森山がおかしい。普段のあの甲高い声が聞こえてこない。
夏の太陽が彼の体力を奪っていたのだ。
かつては強豪上田高校の激しい練習の後でも盛んに上下運動していた体力はもうない。いわば牙を抜かれたサーベルタイガーだ。
そして5回、先頭は森山。打球はショートへのゴロ。あらん限りの力を出して彼は走った。ショートの送球は逸れ、森山は2塁に到達。
そして続く4番徳武。打球はまたもショートへ。これもショートが後ろへ逸らしレフトの前を転々とする。
それを見た森山は本塁へ突入。限界はとうに来ていた。しかし森山は帰ってきた。
代表の劇走で待ち望んだ追加点が入った。
 
 
 
そして6回裏。ファルコンズは代打攻勢をしかける。
 
代打、松岡。ピッチャーゴロ。痩せろ。
代打、津谷。デットボール。お前はどうでもいい。
代打、浦尾。空振り三振。金返せ。
 
期待はしていなかった。
 
 
 
そして最終回のマウンドに河上が上がる。
炎天下の中、強力打線相手に6回を零封した河上の右腕は限界がきていた。
しかし投手は河上しかいない。
派遣切りにあった(正直笑えない)母の為に身を粉にしてボールを投げ込む。
気持とは裏腹に打って下さいといわんばかりの球。打球はピンポン球のように飛んでいく。
こんな状況にも守備陣はあわてず1つずつアウトを重ね2失点で切り抜ける。
 
 
 
6−2で勝利を収め、今シーズン負け知らずの7連勝。
 
 
 
 
☆ヒーローインタビュー☆
 
 
本日のヒーローは強力打線を相手に2失点完投の河上選手です。
 
  「お疲れさまです。猛暑の中での完投でしたが現在のお気持ちはどうですか?」
 
 
    〜あまりにもつまらない為、割愛させていただきます〜
 
  
  「・・・・ありがとうございました。今後とも頑張って下さい。」
 
 
 
 
★総評★
初回から終始リードを保った良い野球ができたと思います。
特に相手の隙を突く走塁でスコアリングポジションにランナーを進められたのが大きいと思います。
相手の守備のリズムが崩せるので初回のような大量点につながります。
それは逆に自らにも言えるのでランナーを背負った時の守備はしっかりと集中するしょうにしましょう。
打線も上位打線も中心にコンパクトに振れてました。
 
今回の勝利は紛れもなく現在の実力です。
確実に上で戦えるくらいの戦力は揃ってきました。
これに慢心することなくこれから夏のレギュラー争いを通じて更にチーム力を高めていきましょう。
 
 
 
 
 
(文責 酒井法子の逮捕に心を痛める男 森田)